日本
インフレ計算
物価が上がると、同じ金額で買えるものは年々少なくなっていきます。この計算機は、その目減りを具体的な数字で確かめるための道具です。金額、想定する年間インフレ率、見通す年数を入れると、いま一定の値段の買い物が将来いくらになるか、そして手元の現金が将来どれだけの購買力しか持たなくなるか、両面から計算します。長期の貯蓄目標が実質的に足りるかの確認、将来の給与が物価に追いつくかの判断、口座に眠らせたままの現金が失う価値の見積もりに使えます。
計算の仕組み
- 現在の価値で金額を入力し、想定する年間インフレ率を決めます。
- 何年先まで見通すかを設定します。
- 将来の価格は、金額に(1 + 率)を年数分だけ累乗した係数を掛けて求めます。
- 将来の購買力は、同じ金額をその係数で割り、いまの物価でいくら分に相当するかを示します。
- 将来のインフレ率は誰にも分からないので、複数の率で計算して幅をつかむのがおすすめです。
将来の価格 = 金額 x (1 + r)^n、将来の購買力 = 金額 / (1 + r)^n
将来の価格を出すには、金額に「1 + 年率」を年数分だけ累乗した係数を掛けます。購買力の目減りは逆向きの計算で、同じ金額をその係数で割ることにより、将来のお金をいまの買い物カゴに換算します。係数が指数の形をしているため、効果は毎年同じ幅で足されるのではなく、前年までの結果の上に重なって膨らんでいきます。
- 金額
- 現在の価値で表した金額
- r
- 年間インフレ率を小数で表した値
- n
- 見通す年数
参考になるインフレ率
| 日本銀行の物価安定の目標 | 2% | 消費者物価の前年比上昇率 |
| 米FRB・欧州中央銀行の目標 | 2% | 主要国でほぼ共通の水準 |
| 日本のコアCPIピーク(2023年1月) | 4.2% | 約41年ぶりの高い伸び(総務省統計局) |
| 年3%で物価が2倍になる期間 | 約24年 | 72の法則による概算 |
計算例
1,000を年3%のインフレで10年間先送りした場合: いま1,000の買い物は10年後にはおよそ1,344になり、逆にタンスにしまった1,000では、いまの物価でおよそ744分の品物しか買えなくなります。率が高いほど、この両方の差は一気に広がります。
Key facts
- 年3%が続くと物価はおよそ24年で2倍になります。72を率で割る「72の法則」で素早く見当がつけられます。
- 毎年の上昇は元の金額ではなく、すでに上がった水準に対して掛かるのがインフレの複利性です。
- 口座の残高が1円も動かなくても、物価が上がった年の分だけ現金の購買力は確実に減っています。
- 2%と4%の差は1年では小さく見えますが、働く期間全体で見ると埋めがたい開きになります。
Tips
- 1つの率で決め打ちせず、2~3通りで計算して結果の幅を確認しましょう。
- 直近や過去のCPIは総務省統計局のサイトで、先行きの見通しは日銀の展望レポートで確認できます。
- 何年も先の貯蓄目標は、インフレ分だけ目標額を膨らませておくと、達成時にも実質的な価値が保てます。
- 物価に勝つお金の増やし方を見たいときは、複利計算機を使うと逆方向の計算ができます。
1,000を年3%のインフレで先送りした場合
| 年数 | 将来の価格 | 将来の購買力 |
|---|---|---|
| 5 | 1,159 | 863 |
| 10 | 1,344 | 744 |
| 20 | 1,806 | 554 |
| 30 | 2,427 | 412 |
よくある質問
どのインフレ率を想定すべきですか?+
日本銀行は消費者物価の前年比上昇率2%を物価安定の目標としていますが、近年は実際の上昇率が大きく上振れした年もありました。2~3通りの率で計算し、1つの数字ではなく幅で捉えるのが現実的です。
投資の利回り計算と同じものですか?+
違います。ここで扱うのは物価の変化だけです。お金を物価より速いペースで増やす計算をしたい場合は、リターンを上乗せしていく複利計算機や貯蓄目標の計算機のほうが目的に合います。
日本の実際のインフレ率と連動していますか?+
していません。率は入力した値がそのまま使われ、公的な指数とは結びついていません。実際の消費者物価指数(CPI)は総務省統計局が毎月公表しており、先行きの見通しは日銀の展望レポートで読めます。
なぜ率のわずかな違いが長期では大差になるのですか?+
インフレは複利で効くからです。毎年の上昇は前年までに上がった水準を土台に計算されるため、10年20年と重なると、2%と4%の差は「2倍」では済まない開きになります。
Things to watch
- 簡略化したモデルによる試算であり、金融アドバイスとして利用しないでください。
- 一定率という仮定は現実には成り立ちにくく、実際のインフレ率は毎年変わります。
- 税金、金利、運用リターンはいっさい考慮されていません。
最終更新日: 2026
本ツールの結果は一般的な目安としての概算であり、金融、税務、法律、医療に関する助言ではありません。数値は改定されることがあり、個々のご事情によっても変わります。重要な判断の前には、必ず記載されている公式の情報をご確認ください。
- 本計算機が示すのは一般的な参考値であり、資産運用や家計に関する助言ではありません。
- 期間中ずっと一定の率を仮定していますが、実際のインフレ率は年ごとに、また国ごとに変動します。
- 預金利息、運用リターン、税金は計算に含まれていません。
監修 Vikas Dulgunde.